院長紹介/ドクターズインタビュー

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院長紹介

ご挨拶

この度、東京都文京区白山の地に眼形成専門のクリニック「東京眼科形成外科クリニック」を開院いたしました。当院は眼瞼・眼窩・涙道疾患に対する手術治療に特化した眼形成診療専門クリニックです。日帰り全身麻酔が可能な手術室及びリカバリールームを備えており、局所麻酔下での眼瞼下垂症手術から全身麻酔下での涙嚢鼻腔吻合術(DCR)や眼窩骨折整復術まで幅広い手術を行います。
私は聖隷浜松病院眼形成眼窩外科にて眼形成診療を学びました。そこで師匠である嘉鳥信忠先生から頂いた何よりも大切な言葉があります。
「自分が患者さんだったらどうされたいか。答えはそこにある」
この言葉を胸に今日まで眼形成診療を行ってまいりました。医療は数学などとは異なり、常に絶対的な答えがあるとは限りません。日々の診療において治療方針に頭を悩ませることもしばしばですが、そんな時にはこの言葉を思い起こし、自分が患者さんの立場であったならどのようにされたいだろうかと考えるようにしています。
当クリニックでは患者さんの安全を最優先に考え、医療スタッフ全員が連携して診療にあたっています。眼形成外科という専門分野において、患者さん一人ひとりにとって最良の医療を提供することを目指しています。
眼形成外科を自らの専門分野に定めて10年。これからも眼形成外科治療を必要とする多くの患者さんのために診療を行ってまいります。何卒、よろしくお願い申し上げます。

東京眼科形成外科クリニック
院長 土居 亮博

略歴

  • 2006年東京医科歯科大学卒業
  • 2007年石心会狭山病院初期臨床研修医
  • 2009年川口市立医療センター眼科
  • 2010年東京医科歯科大学医学部附属病院眼科
  • 2011年東京医科歯科大学医学部附属病院形成外科
  • 2012年亀田総合病院形成外科
  • 2013年東京都保険医療公社大久保病院眼科
  • 2015年聖隷浜松病院眼形成眼窩外科

所属学会

  • 日本眼科学会
  • 日本形成外科学会

学会発表等

  • 土居亮博、田中顕太郎、宮下教子、岡崎睦:「感染した2万ドルの人工尿道括約筋露出創を陰圧閉鎖療法にて創治癒させた1例」日本形成外科学会関東支部第269回東京地方会、2012.03.03(東京)
  • 土居亮博:「眼瞼・涙液・涙道の検査」眼科ケア Volume 16, Issue 4, 379 – 381 (2014)
  • 土居亮博、上田幸典、齋藤智一、松浦祐介、嘉鳥信忠:「下眼瞼外反症を呈したIgG4関連眼疾患の一例」 眼瞼義眼床学会、2017.02.04(沼津)
  • 土居亮博、上田幸典、齋藤智一、松浦祐介、嘉鳥信忠:「左内眼角動脈に生じたangiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaの1例」眼窩疾患シンポジウム、2017.05.27(沖縄)
  • 土居亮博、上田幸典、斎藤智一、松浦祐介、嘉鳥信忠:「眼瞼に生じた多形腺腫の1例」眼腫瘍学会、2017.09.23(東京)
  • 土居亮博、嘉鳥信忠、斎藤智一、松浦祐介、上田幸典:「内腔開放術により軽快した涙腺嚢胞の1例」眼科手術学会、2018-01-26(京都)
  • 土居亮博、上田幸典、嘉鳥信忠:「眼瞼皮膚炎及び結膜炎による下眼瞼外反症に対し抗ヒスタミン薬点眼が奏効した一例」第33回眼窩疾患シンポジウム、2018.09.08(東京)
  • 土居亮博、上田幸典、嘉鳥信忠:「myocutaneous flapにより再建した眼瞼多形腺腫の1例」眼瞼義眼症学会、2019.02.16(大阪)
  • 土居亮博、西村香澄、嘉鳥信忠、高橋めぐみ、上田幸典:「乳児線維症による先天性大角度内斜視に対し経皮的手術による眼位矯正を行った1症例」第75回弱視斜視学会総会、2019.06.14(浜松)
  • 土居亮博、上田幸典、山中亜規子、髙鍬広章、高橋めぐみ、嘉鳥信忠:「医原性眼窩損傷に対する整復術により著明な眼球運動改善が得られた一症例」臨床眼科学会、2019.10.24(京都)
  • 土居亮博:「瘢痕性眼瞼内反症(cicatricial entropion)に対する切開法+lid margin splitting」Monthly Book OCULISTA 「超」入門眼瞼手術アトラス、全日本病院出版会、No.108:87-91.2022

ドクターズインタビュー

医師を目指した経緯

ドクターを目指されたきっかけについて教えてください
ドラマから生まれた医師への憧れ
ドラマから生まれた医師への憧れ

エキサイティングな仕事をしたいという思いが元々ありました。高校生の頃に「ER」というアメリカのドラマを見て、救急外来という一分一秒を争う現場に憧れを抱いたのが最初のきっかけです。あくまでドラマですが、ドクターカーターなどが登場するあの世界に魅力を感じました。当時の思いとは今は少し変わっていますが、医師を目指すきっかけとなりました。

眼形成外科医への道のり

その中で眼科、特に眼形成の方に進まれたきっかけとか何か経緯はあるのですか
眼科との出会い
眼科との出会い

学生の頃、数ある診療科の中で眼科はとてもわかりやすいと感じました。眼科学は形態学的な側面が強く、また網膜血管などは人体の中で直接目で見て観察できる唯一の血管である点などに魅力を感じました。ですので、学生の頃は卒業したら眼科に行こうと決めていました。

眼科と形成外科の間での葛藤

研修医時代に外傷患者の処置をする機会が多くあり、傷の縫合などの処置が非常に面白いと感じるようになりました。その病院に素晴らしい形成外科部長がいて、熱心に指導してくださったのです。よく救急外来で診た症例を持って行って「これはどのように縫合すればよかったのでしょうか」などと訊くと、熱心に教えてくれました。そこで形成外科の面白さに目覚め、進路に悩むようになりました。

眼形成という専門分野の発見

結局、初期研修を終えて最初は眼科に進んだのですが、2年ほど経って形成外科への未練が捨てきれず、一度形成外科に転科しました。それなりに充実した日々ではあったのですが、形成外科医としてのキャリアを考えた時に、将来に希望が持てず挫折してしまいました。その後再び眼科に戻ったのですが、その過程で聖隷浜松病院の嘉鳥信忠先生に出会い、眼形成という分野を知りました。それから約10年、眼形成一本でやっています。

眼形成外科とは

眼形成ってまだ知らない方すごく多く感じますが、
一般眼科と違いや、オペとかに関しても、くわしくお伺いしてもいいですか
一般眼科との違い
一般眼科との違い

眼形成外科の違いは明確です。一般的な眼科は眼球自体、つまり角膜や網膜、ぶどう膜などに起こる疾患を診療対象としています。私たち眼形成外科医は眼球の周辺にあって眼球と密接に関わっている組織、即ち眼瞼(まぶた)、眼窩(眼球が収まっている骨の窪み)、涙道(涙の通り道)などを専門的に扱います。

扱う疾患と専門分野

具体的には、眼瞼下垂や内反症などまぶたの疾患、眼窩の骨折、涙目、バセドウ病による眼球突出などの治療を行います。専門的には「眼瞼・眼窩・涙道」と言います。簡単に言えば「目の周りの組織で目玉以外の全部」を担当する分野です。

稀少な専門診療科

眼形成外科に特化したクリニックは珍しく、業界自体がとても狭いです。眼形成という分野は同じルーツを持つ医師が多く、互いに知り合いであることが多いです。

プロフェッショナルとしての誇り

先ほど「自分の身内とか自分のだったらこういう治療をする」というお話をいただきましたが、技術的な面でやっぱ安全に治療をしていくために先生がこだわってらっしゃるポイントってあるのですか?
安全性への徹底的な投資
安全性への徹底的な投資

安全第一を何よりも重視しています。患者さんに何かあってはいけないので、設備投資にはかなりお金をかけました。経営を圧迫するとわかっていても、例えば全身麻酔時のガス供給が途絶えないようにする酸素ボンベ自動切り替えシステムやエアコンプレッサーを導入しています。また日本麻酔科学会で推奨されている筋弛緩モニターを導入するなど、安全管理には妥協しません。

慎重な手術アプローチ

手術のスタイルも、必要以上に攻めないようにしています。患者さんの快適性も大切ですが、それを追求するあまり安全性を犠牲にすることは本末転倒です。例えば鎮静剤の投与は患者さんの快適性には貢献しますが、過量投与すると呼吸が止まったり心臓が止まったりする危険性があります。そういった薬の使用量は添付文書に基づいて決定し、安全管理に常に配慮しています。

見えないところでの努力

日帰り手術では、患者さんが帰宅後に出血などの問題が起きないよう、徹底的な止血や圧迫など、見えないところでの工夫を大切にしています。

こういった安全への取り組みは患者さんに直接説明しても理解されにくいことも多いので、アピールはしていませんが、常に心がけている部分です。

チーム医療の実践

患者さん自身もやっぱ安全に受けたいと思われていると思うのですが、不安になられている患者さんに対して何か先生ってフォローされたりするのですか。
看護師との連携

実は私自身はその部分が得意ではなく、患者さんの不安へのフォローは看護師さんたちに助けられています。看護師さんたちは「ご気分どうですか?」と声をかけたり、体をさすったりと、本当に優しくサポートしてくれています。

役割分担による最適な患者ケア

私が診察や手術に集中する間、看護師さんたちが患者さんをフォローし、安心して治療を受けられる環境を作ってくれています。手術前後の日常生活についての説明などはカウンセリングルームで看護師が行っていますが、部屋から笑い声が聞こえてくるなど良い雰囲気を作ってくれています。

こうした術前から術後までの看護師さんたちの手厚いフォローがあって、初めて良い医療が提供できるのだと思います。

師匠からの学びと患者さんへの思い

先生の中で「これだけはうちは他に負けないぞ」特徴的なものをおしえてください
アピールの苦手な院長
アピールの苦手な院長

アピールするのは苦手なもので…強いて言えば、患者さんに対する愛は負けないと思います。

恩師・嘉鳥信忠先生の影響

私の師匠だった嘉鳥信忠先生は、外見は怖い印象でしたが、弟子たちからはものすごく慕われていました。それは患者さんや弟子たちに対する愛情がとても深かったからです。嘉鳥信忠先生はいついかなる時でも患者さんにとって最善のことを常に考え、「自分が患者さんだったらどうされたいか。答えはそこにある」を最前線で実践されていました。ですので、我々が少しでも患者さんをないがしろにするような診療を行った時には、それはもうこっぴどく怒られたものです。

受け継がれる診療哲学

患者さんのためにとか、患者さん第一でというのは言葉で言うのは簡単ですが、本当の意味でそれを実践するのはとても難しい事だと思います。でも、素晴らしい師匠に5年間も時間を割いていただいて教えて貰ったことを無駄にはできません。その恩を誰かに返していきたいという思いで診療しています。

プロフェッショナルを感じた瞬間

もう十分プロフェッショナルだなと思うのですが
プロフェッショナリズムの探求
プロフェッショナリズムの探求

プロフェッショナルとは何かを考え続けてきました。聖隷浜松病院で働き始めて2年目くらいに、ある子供の患者さん(先天性の眼瞼下垂)の手術をしました。まだ未熟でしたが、自分の持てる力の限りを尽くして手術したという自負がありました。

心に刻まれた経験

その日、家に帰ってぼうっとしていたのですが、突然涙が止まらなくなったのです。なぜ泣いていたのかは自分でもよくわかりませんでしたが、「これがプロになるということなのかな」と感じた瞬間でした。

プロとしての信条

以来、プロとして仕事をするとは、常に患者さんにとって何がベストかを考え続けることだと思っています。眼形成分野のプロとして、患者さんのことを常に考え続けながら、顧客志向と言うのか、そういう思いでずっとやっています。これが私の誇りです。

開業と理念

院長の開業への思いを教えてください
開業への道筋
開業への道筋

開業を考え始めた2年ほど前、いろいろな本を読んでいたところ、どの本にも「開業するときは理念をちゃんと決めなさい」と書いてありました。開業はとても大変なので、何のためにやるのかを見失わないために理念が必要なのですね。

ソニーの創業理念との出会い

そのとき私が真っ先に思い浮かべたのが、ソニーの創業理念「真面目なる技術者の技能を最高度に発揮せしむべき、自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」でした。この言葉に感動したのです。
ソニーが創業したのは昭和21年、終戦の翌年です。焼け野原になった東京で、まじめな技術者たちがお互いに切磋琢磨し合えるような会社を作ろうとした。その思いに感動しました。

理想の医療組織を目指して

私も仲間と一緒に切磋琢磨し合える、そして自分たちが考え得る限り最高の医療を提供できるような場所を作りたいと思いました。その意味では聖隷浜松病院時代の仲間と過ごした時間は素晴らしかったです。みんな真面目で、お互いにわからないことを考え、「こうしたらいいのではないか」と意見を出し合い、自分たちで考えながら成長していく。そんな日々でした。そして、そのような活気ある組織を自分でも作ってみたいと思ったのです。

そこで「眼形成外科版のソニーを作ろう」と思って開業しました。若くて経験が少なくても、お互いに正しいことは正しい、間違っていることは間違っていると言い合える。職種や年齢に関係なく、正しいことを追求し、学び合い、技術を高めていける組織を作りたかったのです。自分の職業人生が残り何年あるのか分かりませんが、その全てをかけるに値する仕事であると心から信じています。

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