
まつげが常に目に当たっており黒目の広い範囲に傷があります
睫毛内反(さかさまつげ)とは、本来眼球には接触しないように生えているまつげが、様々な原因により眼球に当たってしまう状態を指します。この状態は単なる不快感だけでなく、角膜上皮障害や角膜潰瘍といった重篤な眼科疾患の原因となることもあります。
生まれつきのまぶたの形状によりまつげが眼球側を向いている状態です。
幼児の場合、言葉で症状を表現することが難しいため、「常に目をこすっている」「まぶしがる」などの行動から判断されることが多くあります。
加齢による下眼瞼の組織弛緩によって、まぶた全体が眼球側に回転してしまった状態です。中高年の方に多く見られ、定期的な睫毛抜去や下眼瞼のテープ固定などの対症療法で対処されている方も少なくありません。
加齢性 (退行性) 眼瞼内反 |
加齢に伴う眼瞼水平支持組織の弛緩やLERと呼ばれる組織の脆弱化により発症します。最も一般的なタイプです。 |
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瘢痕性眼瞼内反 | 慢性炎症、外傷、化学熱傷、術後瘢痕拘縮などによって発症します。結膜やLERと呼ばれる組織に瘢痕が形成され、まぶたが内側に引っ張られる形で発生します。 |
慢性的な眼瞼縁炎や瞼板腺炎などの炎症性疾患により、本来生えるべきでない方向や場所にまつげが生えてしまう状態です。
ハムラ法やグラマラスライン形成手術などの美容外科手術後に発生することがあります。
当院では患者さんの年齢、症状、原因に応じた最適な治療法をご提案しております。
基本的に切開法による手術を行います。上まぶたの睫毛内反症に対しては、二重まぶた形成術の手技を応用した方法が効果的です。
下眼瞼の皮膚、眼輪筋を一部切除し皮下に糸をかける事で睫毛の向きを矯正します。
保険診療3割負担で約24,000円(両眼)
治療期間約3か月
初診時、手術時、術後再診時、3か月後再診時、の4回
感染、出血、血腫、皮下出血、予定外重瞼線、再発、低矯正、過矯正、ドライアイ、等
まつげが常に目に当たっており黒目の広い範囲に傷があります
まつげは適切な向きになり傷は治っています
睫毛根切除術を行います。異常な位置に生えているまつげの毛根部分を完全に切除することで治療を行います。局所麻酔下で片眼10分程度の手術です。
切開法、下眼瞼延長、皮弁形成、粘膜移植などの特殊な術式を組み合わせて治療します。症例によっては複数回の手術が必要となることもありますが、適切な手術により症状の改善が期待できます。
上眼瞼の皮膚を一部切除し皮下、挙筋腱膜に糸をかける事で睫毛の向きを矯正します。
保険診療3割負担で約48,000円(両眼)
治療期間約3か月
初診時、手術時、術後再診時、3か月後再診時、の4回
感染、出血、血腫、皮下出血、予定外重瞼線、再発、低矯正、過矯正、ドライアイ、等
上まぶたのまつげが黒目に当たっています
二重が形成されまつげは黒目から離れています
非切開で糸を用いてまぶたの位置を修正する方法です。比較的軽度の内反症に適しています。局所麻酔下で、片眼10分程度で終了します。
Jones変法では下眼瞼を切開し、緩んだ下眼瞼牽引筋群を瞼板に固定します。また、再発率を下げる為にLateral Tarsal Stripと呼ばれる術式を併用する事もあります。中等度から重度の内反症に適しています。局所麻酔下で片眼30分程度で完了します。
下まぶたが眼球に接触して目に傷がついています
下まぶたは適切な位置に戻り目の傷は治っています
step
細隙灯顕微鏡を用いた詳細な眼科検査を行い、まぶたの状態や角膜への影響を正確に評価します。
step
検査結果に基づき、最適な手術方法を決定します。
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局所麻酔(小児の場合は全身麻酔の場合も)を行い、症状に応じた適切な術式で手術を実施します。
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抗生物質や消炎剤の点眼薬を処方し、定期的な診察で経過を観察します。
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術後1~2週間程度で抜糸を行います(埋没法の場合は不要)。
まつげが眼球に接触して実際に目に傷がついている場合は、通常保険適用となります。保険診療による両目手術の場合、3割負担で約24,000円です。美容目的の場合は自費診療となります。
睫毛内反/眼瞼内反症は、単なる美容上の問題ではなく、放置すると角膜障害や視力低下を引き起こす可能性のある眼科疾患です。東京眼科形成外科クリニックでは豊富な経験と高度な技術を持つ眼科形成外科医が、患者さんお一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提供しております。「目がゴロゴロする」「何かが目に当たっている感じがする」などの症状がある方は、早期の専門的診断と治療をおすすめします。どうぞお気軽に当院までご相談ください。