涙道閉塞

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涙道閉塞とは

涙道閉塞とは

涙道閉塞は、涙の排出経路のどこかが塞がることによって引き起こされる疾患です。通常、涙は涙腺から分泌された後、涙点から涙小管、涙嚢を経て鼻涙管を通り、最終的に鼻腔へと流れていきます。この経路のいずれかの部位が閉塞すると、涙が正常に排出されず「なみだ目(流涙)」の症状が生じます。

涙道閉塞の主な症状

  • 常に目がうるうるしている
  • 涙が頬を伝って流れ落ちる
  • 目やにが多く出る
  • 視界がぼやける
  • 読書や細かい作業時に涙が増える
  • 屋外や風の強い場所で特に涙が出やすくなる

涙道閉塞の種類と原因

涙道閉塞は閉塞部位によって異なる特徴と治療法があります。

鼻涙管閉塞

比較的高齢者に多く見られる閉塞形態です。鼻涙管が閉塞することで涙嚢に涙が停滞し、慢性涙嚢炎を併発することが多くあります。

特徴と症状
  • 通常は「目やにが出る」程度の軽度な症状
  • 慢性的な感染が悪化すると急性涙嚢炎を引き起こし、目頭部分の発赤、腫脹、疼痛が生じる
  • 涙が頬を伝って流れることで皮膚炎を引き起こすこともある

先天性鼻涙管閉塞

新生児や乳幼児に見られる先天的な鼻涙管の閉塞です。

特徴と症状
  • 生後まもなくから「常に目やにが出る」「目がうるうるしている」といった症状がある
  • 多くの場合、生後2〜3年で自然治癒する
  • 3歳を過ぎても症状が続く場合は治療が必要となる

涙小管閉塞

涙点から涙嚢までの細い管(涙小管)が閉塞した状態です。

特徴と原因
  • 外傷による涙小管断裂を放置した後の閉塞
  • 抗がん剤(TS-1など)の副作用による閉塞
  • 原因不明の特発性閉塞
  • 一般的に極めて難治性である

涙小管断裂

外傷によって涙小管が切断された状態です。

特徴
  • まぶたの明らかな裂傷がある場合は発見が容易
  • 小さな外傷の場合は涙道通水検査で確認が必要
  • 早期の適切な再建手術が重要

東京眼科形成外科クリニックの涙道閉塞治療

当院では患者さんの症状や閉塞の状態に応じて、最適な治療法をご提案しています。

鼻涙管閉塞の治療

涙道内視鏡下チューブ挿入術
  • 内視鏡を用いて涙道内部を直接観察しながらシリコン製チューブを留置
  • 大きな切開が不要で患者負担が少ない
  • チューブ抜去後に再発する可能性がある
鼻涙管閉塞の治療

涙点より涙道内視鏡を挿入

鼻涙管閉塞の治療

涙道内視鏡下に内腔を観察しチューブ挿入

涙嚢鼻腔吻合術(DCR)
  • 全身麻酔下で実施する根治的な手術
  • 涙嚢の内側粘膜を鼻腔内に直接開放し、新たな導涙経路を再建
  • 適切に実施すれば根治率が高い
  • 鼻外法と鼻内法の2種類の術式がある
鼻涙管閉塞の治療

骨窓を作成し涙嚢内腔を鼻腔内に開放(右眼, 術者の視点)

鼻涙管閉塞の治療

鼻内視鏡から留置された涙管チューブが見える

先天性鼻涙管閉塞の治療

当院では涙道を損傷するリスクのあるブジー挿入は行っておらず、提携医療機関にご紹介させていただきます。

  • 基本的には抗菌薬点眼による保存的治療で経過観察
  • 3歳を過ぎても症状が改善しない場合は、全身麻酔下で涙道内視鏡を用いたチューブ挿入術を実施

涙小管閉塞の治療

まずチューブ挿入術を試みます。閉塞が強固でチューブ挿入が困難な場合は、次の方法を検討します。

Jones Tube留置

結膜から鼻腔までのバイパスを作成し、ガラス管を留置する方法

涙嚢移動術

患者さん自身の涙嚢を用いた涙小管再建法

涙小管断裂の治療

  • 涙小管形成手術による断端の再吻合
  • シリコンチューブを用いた涙小管の再建
  • 早期の適切な治療が良好な結果につながる

涙道閉塞手術の流れ

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涙嚢鼻腔吻合術(DCR)の場合

  • 全身麻酔による手術
  • 鼻内視鏡下に鼻粘膜及び骨を削り、涙嚢内腔を鼻腔内に開放
  • シリコンチューブを留置
  • 術後2ヶ月でチューブを抜去

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涙道内視鏡下チューブ挿入術の場合

  • 局所麻酔の施行
  • 涙点より涙道内視鏡を挿入
  • 内視鏡下に閉塞部位を確認
  • シリコンチューブを挿入
  • 2ヶ月チューブを留置後に抜去

涙道閉塞手術後の経過と注意点

  • 術後は抗菌薬の点眼薬や内服薬を処方
  • チューブ留置中は目をこすらない
  • 術後2か月でチューブを抜去
  • チューブ抜去後も適宜フォローを行います

「いつも目がうるうるする」「涙が頬を伝って流れる」
「目やにが多い」などの症状でお悩み方へ

「いつも目がうるうるする」「涙が頬を伝って流れる」「目やにが多い」などの症状でお悩み方へ

涙道閉塞は単なる不快感だけでなく、慢性的な感染や視機能への影響をもたらす可能性がある疾患です。東京眼科形成外科クリニックでは最新の涙道内視鏡システムと熟練した技術を用いて、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提供しています。
「いつも目がうるうるする」「涙が頬を伝って流れる」「目やにが多い」などの症状がある方は、早めにご相談ください。適切な診断と治療により、多くの場合症状の改善が期待できます。

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