眼窩骨折

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眼窩骨折とは

眼窩骨折とは

眼窩骨折(ブローアウト、眼過底骨折とも呼ばれる)は、主に外傷(ケガ)によって発生する眼窩壁の骨折です。目に物が直接衝突したり、強い打撃を受けたりすることで眼窩内圧が急激に上昇し、眼窩を構成する骨が破損する現象です。眼窩は7つの骨で構成されていますが、特に下壁(眼窩底:上顎洞側)と内壁(篩骨洞側)が破損しやすい部位とされています。

眼窩骨折の主な症状

複視(物が二重に見える)

眼球運動に関わる外眼筋が骨折部位に嵌頓することで、眼球の動きが制限され発生します

眼球陥凹

眼窩内容物が骨折部から逸脱することで、眼球が後方に落ち込む現象

上口唇のしびれ

三叉神経第2枝(眼窩下神経)の損傷による知覚異常

腫脹・内出血

眼窩周囲の組織損傷による症状

眼球運動時の疼痛

外眼筋の嵌頓や損傷に伴う痛み

骨折の程度が軽微な場合や、眼窩内容物(脂肪組織や外眼筋)が制限されない破損パターンの場合は、ほとんど自覚症状がないこともあります。

眼窩骨折の診断方法

  • 画像診断(CT検査が最も重要で、骨折の位置・範囲・程度を正確に評価)
  • 両眼単一視野計測(単一視可能な範囲や複視の範囲を計測)
  • Hess赤緑試験(眼球運動や外眼筋の機能を詳細に評価)
  • ヘルテル眼球突出計(眼球陥凹の程度を評価)

特に筋絞扼型(外眼筋が骨折部に嵌頓するタイプ)の診断には、専門的な知識と経験が必要です。

眼窩骨折の治療

眼窩骨折の治療方針は、症状の程度や骨折のタイプによって異なります。

保存的治療

軽微な骨折や自覚症状に乏しい場合は、以下のような保存的治療が選択されることがあります。

  • 安静と経過観察
  • 鼻かみの禁止(眼窩気腫を避けるため)

外科的治療(眼窩骨折整復術)

このようなときには手術を検討
  • 眼球運動障害に伴う複視がある
  • 著明な眼球陥凹
  • 広範な骨折
  • 外眼筋の絞扼

眼窩骨折整復術(内壁)

  • 術前
    術前

    左眼内直筋が篩骨洞側に大きく逸脱している

  • 術後
    術後

    左眼内直筋は眼窩内に整復され内壁も再建されている

眼窩骨折整復術(下壁)

  • 術前
    術前

    右眼下直筋が眼窩脂肪と共に上顎洞側に逸脱している

  • 術後
    術後

    右眼下直筋は眼窩内に整復され下壁も再建されている

眼窩骨折の手術の流れ

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アプローチ

経皮的または経結膜的に眼窩に到達します。

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整復

眼窩内に逸脱した眼窩脂肪や外眼筋を眼窩内に戻します。

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再建

骨折・欠損部位をインプラントで再建します。

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閉創

創部を丁寧に縫合します。

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術後の経過

  • 術後1〜2週間は腫脹や内出血が続きますが徐々に治ります。
  • 複視は徐々に改善するが、完全回復まで数週間から数ヶ月かかることもあります。
  • 術後約1週間で抜糸を行います。
  • 定期的な診察で眼球運動機能の回復状況を確認します。

手術の適応時期

手術の適応時期は骨折のタイプによって異なります。

筋絞扼型

外眼筋が骨折部に嵌頓しており、特に小児に多いタイプです。24〜48時間以内の緊急手術が望ましいとされています。

通常型

受傷後2週間以内の手術が推奨されます。受傷から数ヶ月経過すると組織の癒着が進み、手術効果が限定的になる可能性があります。

東京眼科形成外科クリニックの治療方針

当院では、眼窩骨折に対して次のような治療アプローチを採用

  • 詳細なCT画像解析と臨床症状の評価に基づいた適切な診断
  • 骨折の部位・程度・症状に応じた最適な治療方法の選択
  • 経験豊富な医師による適切なアプローチ、確実な整復、適切なインプラント選択と設置
  • 複視や眼球運動の改善状況を継続的に評価し、必要に応じたリハビリテーションのご提供

眼窩骨折は適切な診断と治療によって、多くの場合良好な結果が得られます

眼窩骨折は適切な診断と治療によって、多くの場合良好な結果が得られます

特に複視や眼球陥凹などの症状がある場合は、早期の専門的診断と適切な時期の手術介入が重要です。当院では豊富な経験と高度な技術を持つ医師が、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提供いたします。眼に強い衝撃を受けた後に複視や上口唇のしびれなどの症状を感じた場合は、早急に当院までご相談ください。

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