術前

まぶたは皮膚、筋肉、筋膜、結膜、瞼板(軟骨)、皮脂腺、汗腺、毛髪などさまざまな組織から構成されているため、多種多様な腫瘍性病変が発生しやすい部位です。これらのできものには良性のものから悪性のものまでさまざまあり、適切な診断と治療が重要となります。
まぶたの脂腺や汗腺に細菌が感染し、炎症を起こした状態です。赤く腫れて痛みを伴います。治療は抗菌薬の点眼や軟膏の塗布ですが切開などの処置が必要な場合もあります。
まぶたのマイボーム腺に脂質が蓄積して炎症を引き起こした状態です。無治療でも軽快する場合もありますが、遷延する場合は切開などの処置を行う事もあります。
皮膚にメラニン色素を含む細胞(メラノサイト)が集まってできる腫瘍です。生まれつきのものや、加齢により徐々に出現するものがあります。治療は主に手術による切除ですが、大きさによっては術後の再建方法が異なります。
皮膚内に脂質を貯めた細胞が増殖する淡黄色の腫瘍で、高脂血症と関連があります。
皮膚の角質が増殖した腫瘍で、まぶたの縁に好発します。
加齢により出現する良性腫瘍(いわゆるイボ)です。
思春期以降の女性のまぶたによくみられる良性腫瘍です。
まぶたには様々な悪性腫瘍が発生することがあります。早期発見・早期治療が重要です。
表皮の基底細胞から発生する悪性腫瘍で、まぶたの悪性腫瘍の中で最も頻度が高いものです。
表皮の角化細胞から発生する悪性腫瘍です。基底細胞癌より悪性度が高い傾向があります。
まぶたの皮脂腺から発生する悪性腫瘍で、悪性度が高くリンパ節転移を起こしやすい特徴があります。
皮膚の感覚を司るメルケル細胞から発生する悪性腫瘍です。
まぶたにできた黒いできものが良性か悪性かを見分けるのは専門家でも難しいことがあります。当クリニックでは、しっかりと検査を行い、治療を進めています。
形状 | 良性腫瘍は形が整っていることが多いのに対し、悪性腫瘍はいびつな形をしていることが多い |
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表面の性状 | 良性腫瘍は表面が滑らかなことが多く、悪性腫瘍は表面がイボイボしていることがある |
成長速度 | 良性腫瘍はゆっくりと成長するか、大きさが変わらないことが多いのに対し、悪性腫瘍は数週間〜数ヶ月で急速に大きくなることがある |
当院では、まぶたのできものに対して、まず詳細な診察を行い、良性か悪性かを慎重に診断します。必要に応じて生検による組織診断も行います。
良性腫瘍の多くは手術による切除が基本となります。当院では機能的・整容的に優れた結果を得るため、病変の位置や大きさに合わせた適切な術式を選択します。
悪性腫瘍の場合、腫瘍の完全な切除と適切な再建が必要です。当院では皮弁形成術、植皮、粘膜移植などの技術を駆使して治療を行います。これらの技術を組み合わせることで、腫瘍の根治的切除後も、機能的・美容的に満足のいく結果を目指します。
まぶたのできものは多種多様で、良性のものから悪性のものまで様々です。見た目だけでは良性・悪性の判断が難しいことも多いため、変化に気づいたらなるべく早く眼形成外科医に相談することが重要です。当院では、詳細な診断に基づいた最適な治療方法をご提案し、患者さんお一人ひとりに合わせた治療をご提供いたします。